オリゴ糖

オリゴ糖のオリゴとは、ギリシャ語の「少ない」という意味で、一般にブドウ糖や果糖などの単糖類(これ以下に分けられない糖)が2〜10個程度結びついたものを総称してオリゴ糖と呼んでいるが、明確な定義はないので二糖類であるショ糖(砂糖)、乳糖、麦芽糖も分子構造からは、オリゴ糖ということになる。

しかし、近ごろはこれらの糖以外に、フラクオリゴ糖などのように乳糖、ショ糖、でんぷんや食物繊維などに酵素を作用させたもの、あるいは大豆オリゴ糖やラフィノースのように、それぞれ大豆やビート(砂糖大根)から天然成分を抽出・分離したものなどさまざまなオリゴ糖が作られている。今では、オリゴ糖というと後者を指すことが多いようだ。

オリゴ糖は、それぞれに特徴があるが、ほぼ共通的に次のような生理調節と食品の品質改善の両面の働きを持っている。

* 腸内有用菌の活性化(消化されずに大腸にまで達し、ビフィズス菌の栄養源になる)
* 虫歯の原因になりにくい
* 甘味の低減
* 低カロリー

1回に多量に摂った場合、種類によっては程度に差はあるが、一過性の下痢作用 、またオリゴ糖によっては体の調子を整える働きは持たず、品質改善のみに優れているというものもある。

例えば、サイクロデキストリンといわれるものには、次のような働きがある。

* 臭いや香気などの揮発しやすい成分の安定化(コーヒー、香料)
* 酸素、紫外線などで分解しやすい成分の安定化(ねりわさび)
* 吸湿しやすい成分の吸湿性改善(粉末調味料)
* 苦みや異臭の除去(口臭除去剤、野菜ジュース)

オリゴ糖の特長を生かした商品としては、砂糖に代る甘味料あるいは整腸用として顆粒状やシロップ状でそのまま食べるものがあるほか、飲料、菓子、プリン、パン、ジャム、ハム、かまぼこなどいろいろな加工食品に利用が拡がっている。