腸内洗浄

腸内洗浄とは、肛門部より直接、専門器具を使って薬品などを入れ、腸内のたまった便を除去することである。

腸内洗浄は、5時間便が腸内に留まることにより発生する毒素を取り除くことが目的である。長時間にわたって腸内に便が存在することで、肌のつやが悪くなったり、荒れたりする。大腸がんは、直腸と左脇腹にある下行結腸が原因になることが多く、直腸洗浄は大腸がんの予防にもなる。また、腸内洗浄によってアレルギー皮膚炎などの症状が改善されたケースも報告されている。消化されなかった食べ物、腸内細菌の死骸、毒素などが含まれている便は、出来るだけ 速やかに排泄して腸内を綺麗に保つことが大切である。

しかし、現実にはこのような宿便と呼ばれるものは腸の中に存在しません。大腸の内視鏡検査をすればそのようなものなどないことは一目瞭然です。ひどい便秘などの治療に用いられる高圧浣腸と腸内洗浄とは全く異なるものです。但し、腸から老廃物が吸収され、それが病気の原因となるという考え方は古くからあったらしく、これを治療するための浣腸は、中国、インド、エジプトなどの伝統医学の中でも重要な治療法のひとつでした。

その後、20世紀初頭にはこの考え方は誤りであると非難され、鳴りをひそめたかのように思われたのですが、ここ30年の間、腸内洗浄という考えが復活したのです。中でもGersonという人がガンに対する治療法として特殊な食事療法とともにコーヒー浣腸を提唱したこともあって、欧米で行っている施設もあります。

しかし、海外では腸内洗浄をきっかけに腸の感染症が広がったこともありますし、施術の際に直腸を傷つけたり、場合によっては穴をあけたり、「死亡例」もあるのです。しかも科学的にもその理論は間違っています。

このように、理論的に問題のあること、決して安全とは言えないことなどを考えると、腸内洗浄やコーヒー浣腸は全くおすすめできません。